Copyright (C) Pengfei Li & Kenneth M. Merz Jr. 2014
MCPBの使用方法についての説明:
Usage:
MCPB [flags] [options]
options: -i script file -l log file
flags: -h help -f function list
例として、PDB ID:1AMPの金属イオンの力場を作成する。これは、Areamonasのproteolyticaのアミノペプチダーゼの構造であり、その中には2つの亜鉛イオンが触媒中心に存在する。全体のパラメータ化プロセスには、5つの異なるステップが含まれる。:
Procedures A. PDB preparation B. Build the sidechain model to obtain the force constant parameters C. Use the large model to obtain atomic point charges D. Transfer the xml param and lib files to AMBER frcmod and prep files E. Create the prmtop and inpcrd files for the system
A. PDBの準備
1. PDB fileの修正: (effort: several minutes)
ここでPDBファイルを入手 (1AMP.pdb) か次のフォルダーで見つける。:$AMBERHOME/AmberTools/examples/mtkpp/MCPB/1AMP/data ここでヘッダーとconnectivity informationを取り除き、256と935の残基名をHIDとMOHに修正する。修正後pdbファイルを1AMP_OH_fixed.pdbとして保存する。このファイルは (1AMP_OH_fixed.pdb) からダウンロードできる。
2. MCPB scriptsの作成: (effort: <1minute)
genMetalFF.sh をダウンロードするか、次のフォルダーからコピーする。:$AMBERHOME/AmberTools/examples/mtkpp/MCPB/
次のステップで使うスクリプトを生成するために下記のコマンドを実行する。
sh genMetalFF.sh -n 1AMP_OH
メタルサイトの名前を-n フラッグの次に入力する。下記のファイルが生成され実行フォルダーに保存される。(使用目的により分けられる。):
A. 基本: 1AMP_OH.README; 1AMP_OH_settings.bcl; 1AMP_OH_addHs.bcl; 1AMP_OH_resNames.bcl.
B. 力場定数を計算するためのSidechain Model: 1AMP_OH_sidechain_fc_md.bcl; 1AMP_OH_sidechain_fc_sem.bcl.
C. チャージフィッティングのためのLarge model: 1AMP_OH_large_respgen.bcl; 1AMP_OH_large_chg0.bcl; 1AMP_OH_large_chg1.bcl; 1AMP_OH_large_chg2.bcl; 1AMP_OH_large_chg3.bcl; getCharges.shcreateLibraries.sh.
D. xml fileからprep and frcmod file: 1AMP_OH_toAmberFormats_md.bcl; 1AMP_OH_toAmberFormats_sem.bcl.
3. セッティングファイルのチェック: (effort: several minutes)
セッティングファイル 1AMP_OH_settings.bcl 直接使用しないが、別のファイルから使用される。このファイルはパラメーター作成過程で使われるforce field informationを含んでいる。デフォルトではAMBER FF94 modelとGeneralized Amber Force Field (GAFF)であるが、必要なら変更する。
4. PDBファイルへ水素原子の追加: (effort: several minutes)
このステップでは、ジスルフィド結合を定義、原子のタイプ定義、接続性を割り当て、1AMP_OH_fixed.pdbファイルへ水素原子が追加される。コマンドを実行する。:
MCPB -i 1AMP_OH_addHs.bcl -l 1AMP_OH_addHs.bcl.log
次のファイルが作られる: 1AMP_OH_fixed_H.pdb 重原子に水素が付けられている。
B. 力場定数パラメータを取得するためにサイドチェインモデルを構築
5. Sidechain Modelの構築: (effort: < one hour)
ここでは、結合と角度力場定数計算のためのサイドチェーンモデルを構築する。1AMP_OH_sidechain.bclは自動的には生成されず、自分で作らなければならない。関連する手順を理解するために、ファイル内のノートを読む。このチュートリアルの後半で作成する大規模なモデル構築スクリプトと同様に電荷および多重度がスクリプト内で正しいことを確認する。 本モデル荷電グループは2+イオンである二つのZn、GLU、2つのASPと1つのOH - で、トータルの電荷は2 × (+2)-1 -2×1-1 = 0、および多重度は1である。
コマンドの実行:
MCPB -i 1AMP_OH_sidechain.bcl -l 1AMP_OH_sidechain.bcl.log
下記のファイルが得られる:
1AMP_OH.xml; 1AMP_OH_params.xml; 1AMP_OH_sidechain.sdf; 1AMP_OH_sidechain_opt.com; 1AMP_OH_sidechain_fc.com.
6. Gaussian に基づいたSide Chain Model最適化とFrequency計算 (effort: cluster size と 利用可能なresourcesによる: 1AMP では1日以上かかる。):
1AMP_OH_sidechain_opt.comファイルは、STEP 5 で生成される。それを使用して構造最適化を実行する。これはプロセス全体の中で最も時間のかかる過程である。後の過程で使用されるログファイルの命名方法との整合性持たすために、次のコマンドでガウスファイルの名前を変更する:mv 1AMP_OH_sidechain_opt.com 1AMP_OH_sidechain_opt_md.com
sed -i 's/_opt/opt_md/g' 1AMP_OH_sidechain_opt_md.com
mv 1AMP_OH_sidechain_fc.com 1AMP_OH_sidechain_fc_md.com
sed -i 's/_fc/_fc_md/g' 1AMP_OH_sidechain_fc_md.com
次は、構造最適化を完了するために1AMP_OH_sidechain_opt_md.comによって定義されたGaussian jobを実行する。この実行の方法は次の二つのリンク先に書かれている。: Gaussian03 と Gaussian09
実行後、1AMP_OH_sidechain_opt_md.chkと1AMP_OH_sidechain_fc_md.logファイルを得る。 CHKファイルは力場定数の計算に用いる。 注意:ガウス計算のすべての結果をチェックし、その後のモデリングを気持ちよく行えるようにする。MCPBの現在のバージョンでは、Gaussian03の力定数計算の出力ファイルはサポートしているが、Gaussion09からの力定数計算の出力ファイルをサポートしていない。 最適化ジョブを終了した後、力場定数計算を実行するためにGaussianジョブ1AMP_OH_sidechain_fc_md.comを実行する。実行後、新しい1 AMP_OH_sidechain_opt_md.chkと1 AMP_OH_sidechain_fc_md.logファイルを得る。(1) Z行列法を使用する場合は、次のステップにログファイルを使用することができる。 (1AMP_OH_sidechain_fc_md.log)
(2) セミナリオ方式を使用する場合、、次のコマンドを使用してバイナリCHKファイルをFCHKファイルに変更する。FCHKファイルは、後のステップで使用する
formchk 1AMP_OH_sidechain_opt_md.chk 1AMP_OH_sidechain_opt_md.fchk
7. 最終的なXML Paramファイルの生成:(effort: several minutes)
力定数計算を終了後、XMLのParamファイルに結合と角度力場定数パラメータを保存することができる。
(1)Z行列法を使用する場合は、次のファイルを使用してコマンドを実行できる。:
MCPB -i 1AMP_OH_sidechain_fc_md.bcl -l 1AMP_OH_sidechain_fc_md.bcl.log
次のXMLファイルを得る: 1AMP_OH_params_fc_md.xml.
(2) あなたはセミナリオ方式を使用する場合、次のファイルを使用してコマンドを実行できる:
MCPB -i 1AMP_OH_sidechain_fc_sem.bcl -l 1AMP_OH_sidechain_fc_sem.bcl.log
次のXMLファイルを得る: 1AMP_OH_params_fc_sem.xml.
C. point chargeパラメータを得るためにlargeモデルを使用
8. 分子ライブラリーに標準モデルを追加: (effort: < one hour)
Largeモデルを構築する前に、XMLライブラリに標準モデルを作成する必要がある。これは、他のpdbファイルが特殊な活性部位を含むかどうかを決定するために使用する。また、後の工程においても有用である。 1AMP_OH_addStdMol.bclファイルは、手で構築される。これは、sidechain bclファイルに似ているが、longer and capped fragmentが存在しないので、かかる時間は少ない。2つの結合残基間に、5未満の残基が存在する場合、チェーン全体は同様にACEとNMEによってキャップされているとしても、それらの間の橋渡し残基はGLYによって表すことができる。
それを作成した後、コマンドを実行する:
MCPB -i 1AMP_OH_addStdMol.bcl -l 1AMP_OH_addStdMol.bcl.log
この実行により、以下のファイルを取得 : 1AMP_OH_stdMol.xml; 1AMP_OH_addstdMol.sdf.
9. 大規模モデルの構築:(effort: < one hour)
ラージモデル内の各残基はNMEとACEでキャップされる。2つの残基間にただ一つの残基がある場合は、extra残基がモデル構築時に含まれる。その後、次のコマンドを実行する:
MCPB -i 1AMP_OH_large.bcl -l 1AMP_OH_large.bcl.log
この実行で、PDBファイルとメルツ·コールマンの荷電算出のためのガウシアン入力ファイルを得る: 1AMP_OH_large.pdb; 1AMP_OH_large_mk.com. Reminder:Gaussian09-C.01またはより新しいバージョンを使用する場合、キーワードIOp(6/33=2)をIOp(6/50=1)に変更する。
10. メルツ·コールマン荷電のガウス計算:(effort: several hours)
1AMP_OH_large_mk.comファイルで定義されたガウスジョブを実行する :出力ファイルは 1AMP_OH_large_mk.log.
11. RESP荷電フィッティング: (effort: several minutes)
このステップでは、2つのステージRESP電荷入力ファイルを生成するために1 AMP_OH_large_respgen.bclファイルを使用することができる。
MCPB -i 1AMP_OH_large_respgen.bcl -l 1AMP_OH_large_respgen.bcl.log
$AMBERHOME/bin/respのespgenとrespが使用されるgetCharges.shスクリプトを使用してRESP電荷フィッティングを行う。./getCharges.shコマンドの後に使用する電荷モデルを指定できる。(それぞれChgMod A、B、C及びDに対応する0、1、2および3が存在する)が一例としてChgModAを使用する。:
sh ./getCharges.sh 0
その結果、RESP荷電出力ファイル生じる。: 1AMP_OH_large_mk0.resp2.chg.
12. 最終XML Libファイルの生成:(effort: several minutes)
前ステップで1AMP_mk0.resp2.chgファイルを得た後、1AMP_OH_large_chg0.bclを 使ってXML libファイルにRESPの荷電パラメータを格納する。
MCPB -i 1AMP_OH_large_chg0.bcl -l 1AMP_OH_large_chg0.bcl.log
次のXMLファイルを得る: 1AMP_OH_chg0.xml.
D. AMBER frcmodとprepファイルへxml paramとlibファイルを移つす。
13. AMBERprepとfrcmodファイルの作成:(effort: several minutes)
このステップでは、XML Paramファイル(力場定数の情報を含む)とlib(電荷情報が含まれている)ファイルをタンパク質全体のシステムを作成する最後のステップで使用されるAMBERfrcmodとprepファイルへ移す。bclファイルのデフォルトの荷電 modはChgMod C(2に相当)であるが、必要に応じて、bclファイルを編集することができるので、このステップのbclファイルには注意が必要。 ここでは、ChgMod A(0に対応)を使用する。
(1) 力場定数を取得するのに、Z行列法を使用している場合は、次のコマンドを実行する。:
MCPB -i 1AMP_OH_toAmberFormats_md.bcl -l 1AMP_OH_toAmberFormats_md.bcl.log
下記のファイルが表示される: 1AMP_OH_md.frcmod; 1AMP_OH_chg0.prep; metals.frcmod.
(2) 力場定数を取得するためにセミナリオメソッドを使用する場合は、次のコマンドを実行する:
MCPB -i 1AMP_OH_toAmberFormats_sem.bcl -l 1AMP_OH_toAmberFormats_sem.bcl.log
下記のファイルが表示される: 1AMP_OH_sem.frcmod; 1AMP_OH_chg0.prep; metals.frcmod.
E. システムのtopplogyとcoordinateの作成
14. 金属が結合している残基の名前の変更とleaprcファイルに結合情報を割り当てる: (effort: several minutes)
このステップでは、pdbファイルの金属に結合している残基の名前を変更し、システムの結合情報を決定、leaprcファイルに保存するためにMCPBを使用する
コマンドを実行:
MCPB -i 1AMP_OH_resNames.bcl -l 1AMP_OH_resNames.bcl.log
下記のPDBとleaprcファイルを得る。: 1AMP_OH_mcpb.pdb; 1AMP_OH.leaprc.
15. tleapでprmtopとinpcrdファイルを生成するファイナルモデリング:(effort: several minutes)
ここでは、最終的なモデリングの前に(前のステップで得られた)1AMP_OH.leaprcファイルにいくつかの変更を加える必要がある。
手で1AMP_OH.leaprcを変更
source oldff/leaprc.ff94
frcmodMetals = loadamberparams metals.frcmod
frcmod = loadamberparams 1AMP_OH.frcmod
loadamberprep 1AMP_OH.prep
model = loadpdb 1AMP_OH_mcpb.pdb
bond model.223.SG model.227.SG
bond model.292.ZN model.117.OD2
bond model.292.ZN model.152.OE2
bond model.292.ZN model.256.NE2
bond model.292.ZN model.629.O
bond model.293.ZN model.97.NE2
bond model.293.ZN model.117.OD1
bond model.293.ZN model.179.OD1
bond model.293.ZN model.629.O
solvateoct model TIP3PBOX 8.0
saveamberparm model 1AMP_OH_mcpb.top 1AMP_OH_mcpb.crd
savePdb model 1AMP_OH_mcpb_h2o.pdb
quit
変更した部分を赤でしめす:
source oldff/leaprc.ff94
loadoff ions08.lib
frcmodMetals = loadamberparams metals.frcmod
frcmod = loadamberparams 1AMP_OH_md.frcmod
loadamberprep 1AMP_OH_chg0.prep
model = loadpdb 1AMP_OH_mcpb.pdb
bond model.223.SG model.227.SG
bond model.292.ZN model.117.OD2
bond model.292.ZN model.152.OE2
bond model.292.ZN model.256.NE2
bond model.292.ZN model.629.O
bond model.293.ZN model.97.NE2
bond model.293.ZN model.117.OD1
bond model.293.ZN model.179.OD1
bond model.293.ZN model.629.O
addions model Na+ 0
solvateoct model TIP3PBOX 8.0
loadamberparams frcmod.ionsjc_tip3p
saveamberparm model 1AMP_OH_mcpb.top 1AMP_OH_mcpb.crd
savePdb model 1AMP_OH_mcpb_h2o.pdb
quit
コマンドを実行:
tleap -f 1AMP_OH.leaprc > 1AMP_OH_tleap.out
Yielding the final topology, coordinates and pdb files: 1AMP_OH_mcpb.top; 1AMP_OH_mcpb.crd; 1AMP_OH_mcpb_h2o.pdb.
その後でエネルギーminimizationを行い、ついでMD simulations!
Enjoy!