(Note: These
tutorials are meant to provide
illustrative examples of how to use the AMBER software suite to carry
out simulations that can be run on a simple workstation in a reasonable
period of time. They do not necessarily provide the optimal choice of
parameters or methods for the particular application area.)
Copyright Ross Walker 2006
AMBER
ADVANCED TUTORIALS
TUTORIAL 3 - SECTION 3
Perl Script mm_pbsa.pl
By Ross Walker & Thomas Steinbrecher
3) 結合自由エネルギーを計算と結果の分析。(mm_pbsa.plを使用)
MM-PBSA計算のために、production_runから水を付加されてないスナップショットを抽出する必要がある。$AMBERHOME/bin ディレクトリにあるmm_pbsa.plスクリプトはこの抽出プロセスを自動的に行う。gzcatがインストールされていない場合は、mm_pbsaを実行する前に、trajectoryファイルを解凍する必要がある。様々な用語の説明はリンクされたファイルを参照:extract_coords.mmpbsa |
@GENERAL |
このファイルは、どの原子が受容体、リガンドおよび複合体を構成しているか、どのprmtopファイルがどの非溶媒和構造に対応するか、trajectore中のスナップショットの合計数、stride lengthとtrajectoryファイルの対応を指定する。出力ファイルのそれぞれが接頭辞「スナップショット」を持つことも指定されている。このセットアップでは、受容体をRAS、リガンドをRAFと定義した。これは単に便宜的命名である。
$AMBERHOME/bin/mm_pbsa.pl extract_coords.mmpbsa > extract_coords.log
実行に数分かかり、出力ファイルは: extract_coords.tar.gz (14 MB)
すべてのエラー・ログ·ファイルを確認する。また、ボックスのサイズが合理的であることを確認する。任意の奇妙な箱のサイズがある場合、これはおそらく、選択した原子数に問題があるか、trajectoryファイルの破損である。
抽出したスナップショットを使い、受容体、リガンド、複合体に対する相互作用エネルギーと溶媒和自由エネルギーを計算し、結合自由エネルギーの推定値を得るために、結果を平均する。このチュートリアルでは結合に対するエントロピーの寄与の計算を行なわないので、厳密に言えば、この結果は真の自由エネルギーではないが、同様のシステムを比較するためには使用することができる。例えば、一方が結合界面のアミノ酸の点突然変異の効果の分析を行うことは可能である。これに対する一般的なアプローチは、アラニンスキャニングと呼ばれている。
デモのためにMM_PBSA方法とMM_GBSA法の両方を使用し結合エネルギー計算を行う。mm_pbsa.plについては、以下の入力ファイルを使用する(コメントについてはリンクファイルを参照)。:
binding_energy.mmpbsa |
VERBOSE 0 PARALLEL 0 PREFIX snapshot PATH ./ START 1 STOP 200 OFFSET 1 COMPLEX 1 RECEPTOR 1 LIGAND 1 COMPT ./ras-raf.prmtop RECPT ./ras.prmtop LIGPT ./raf.prmtop GC 0 AS 0 DC 0 MM 1 GB 1 PB 1 MS 1 NM 0 @PB PROC 2 REFE 0 INDI 1.0 EXDI 80.0 SCALE 2 LINIT 1000 ISTRNG 0.0 RADIOPT 0 ARCRES 0.0625 INP 1 SURFTEN 0.005 SURFOFF 0.00 IVCAP 0 CUTCAP -1.0 XCAP 0.0 YCAP 0.0 ZCAP 0.0 @MM DIELC 1.0 @GB IGB 2 GBSA 1 SALTCON 0.00 EXTDIEL 80.0 INTDIEL 1.0 SURFTEN 0.005 SURFOFF 0.00 @MS PROBE 0.0 @PROGRAMS |
入力ファイルの様々な部分は、どの計算を実行するかを指定する。入力ファイル上に、結合自由エネルギーへの異なる寄与を計算するために必要な特別なパラメータとそれを実行するための情報を置く。上記のリンク先のファイルを開けば、種々の用語の説明がある。種々のパラメータ値は、経験的データに基づいて決定および進行中の研究の対象とされている。非極性溶媒和自由エネルギーの寄与を計算するための現在の推奨設定の一覧を ここで見ることができる。一般的なパラメータ設定で自由エネルギー計算をするための入力ファイル例は$AMBERHOME/AmberTools/src/mm_pbsa/Examples/TEMPLATE_INPUT_SCRIPTSディレクトリにある。。詳細については、フィールド内の資料を参照する。AMBERの初期バージョンでは、Delphiなどの外部ポアソンボルツマンソルバーを必要とするがAMBER 8以降では内部PBSAプログラムを使用することができる。このプログラムは、AMBERのフレームワークにかなりの高速化と容易な統合を提供している。計算は:
$AMBERHOME/bin/mm_pbsa.pl binding_energy.mmpbsa > binding_energy.log
で行い、計算の進捗状況は下記のようにして確認する:
tail -f binding_energy.log
この計算は、(P4 3.2 GHz)で実行すると約2時間かかる。600スナップショットそれぞれの計算でPBSA部分が時間の大半を取る。GBSA部分の計算は秒単位で行われる。PARALLELで利用可能なプロセッサの数を指定することで、一度にパラレルmm_pbsaの実行し複数のスナップショットの分析を可能にし計算を高速化できる。
終了すると次のような出力がある。: binding_energy.log, snapshot_statistics.out, snapshot_com.all.out, snapshot_rec.all.out, snapshot_lig.all.out,
計算が正常に完了した場合、ログ·ファイルが出力される。all.outファイルには、各々の分子種に対するスナップショットのそれぞれについて、個々のエネルギーの寄与を与える。statistics.outファイルには、最終的な結合平均自由エネルギーの結果が含まれている。:
snapshot_statistics.out |
# COMPLEX RECEPTOR LIGAND # ----------------------- ----------------------- ----------------------- # MEAN STD MEAN STD MEAN STD # ======================= ======================= ======================= ELE -8656.78 70.18 -5602.09 63.10 -2102.25 52.57 VDW -984.99 24.34 -661.18 20.33 -256.02 12.93 INT 5085.33 50.22 3449.57 38.65 1635.76 29.42 GAS -4556.44 75.96 -2813.70 65.21 -722.52 53.50 PBSUR 65.09 1.05 45.25 0.64 27.24 0.46 PBCAL -3223.64 58.68 -2490.86 48.73 -1671.27 47.46 PBSOL -3158.55 58.26 -2445.62 48.45 -1644.03 47.31 PBELE -11880.42 34.25 -8092.96 29.34 -3773.52 17.30 PBTOT -7714.99 48.25 -5259.32 36.97 -2366.55 26.61 GBSUR 65.09 1.05 45.25 0.64 27.24 0.46 GB -3407.82 58.49 -2631.83 50.08 -1731.06 47.68 GBSOL -3342.74 58.15 -2586.58 49.83 -1703.82 47.55 GBELE -12064.60 26.94 -8233.92 23.57 -3833.31 13.40 GBTOT -7899.17 47.07 -5400.28 35.65 -2426.34 26.80 # DELTA # ----------------------- # MEAN STD # ======================= ELE -952.43 44.10 VDW -67.79 5.18 INT -0.00 0.00 GAS -1020.22 44.58 PBSUR -7.40 0.41 PBCAL 938.50 42.51 PBSOL 931.09 42.31 PBELE -13.94 9.43 PBTOT -89.13 7.94 GBSUR -7.40 0.41 GB 955.07 41.30 GBSOL 947.66 41.10 GBELE 2.63 7.41 GBTOT -72.56 6.40 |
このファイル内の用語の意味は次のとおりである。:
ELE =electrostatic energy as calculated by the MM force field.
VDW = van der Waals contribution from MM.
INT = internal energy arising from bond, angle, and dihedral terms in the MM force field. (this term always amounts to zero in the single trajectory approach).
GAS = total gas phase energy (sum of ELE, VDW, and INT).
PBSUR/GBSUR = non-polar contribution to the solvation free energy calculated by an empirical model.
PBCAL/GB = the electrostatic contribution to the solvation free energy calculated by PB or GB, respectively.
PBSOL/GBSOL = sum of non-polar and polar contributions to solvation.
PBELE/GBELE = sum of the electrostatic solvation free energy and MM electrostatic energy.
PBTOT/GBTOT = final estimated binding free energy calculated from the terms above. (kcal/mol)
ここで注意すべき点がいくつかある。通常ELE、PBCAL/GBCALとVDW部分は結合自由エネルギーに対してメジャーな寄与をなす。そして最初の二つはほぼお互いに相殺する傾向があり、そのことはPBELE/GBELEの値によって確認することができる。その値はその寄与の値よりはるかに小さいはずである。
一般的には結合自由エネルギーを増加さす静電エネルギーと減少さす溶媒和自由エネルギーを予測する。これは脱溶媒和する結合粒子を、それらの結合インタフェースに整列させるために使用しなければならないエネルギーを象徴している。
負の全結合自由エネルギー-89.13キロカロリー/モルから、このタンパク質は純水中で良好なタンパク質-タンパク質複合体となるが、結合自由エネルギーを減少さす結合へのエントロピーの寄与を推定しなかったので、結果は実際の結合自由エネルギーに等しくないことを心に留めておく。。GBのアプローチは、わずかに低い結合エネルギーを与えるが、それでもこれは、良好な結合状態であることを示唆していることに注意する。
このチュートリアルを拡張ために、溶媒のイオン強度を変更させ、特定の残基を変更させ、異なる出発ジオメトリを選択した場合に何が起こるかを調べることができる。また、エントロピーを見つけるためのnmode計算を実行することも考慮に入れることが出来るが、このサイズの複合体のためには、これは非常に大きいメモリ容量と高い計算能力が必要になることを注意する。
(Note: These tutorials are meant to provide
illustrative examples of how to use the AMBER software suite to carry
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period of time. They do not necessarily provide the optimal choice of
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